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3度好きになったら本物だ。

異国の地を訪れて「街を好きになる」ときに起こる感情を、こう名付けることにした。

1度目は何もかも新鮮で楽しい、2度目は現実的な部分が見えてくる。

3度目に訪れる気持ちになれた場所こそ、”好き”なんじゃないか?

 


私は今日も音楽をするために街に出るーー。

さまざまな国で演奏するのは、ずっと小さい頃から決めていた夢でした。

出足は遅くなちゃったけれど、本当に本当に小さな一歩。

その事を思うとき、きっとロンドンの色や、ここの人達のくれた寛大なあったかさを原点に思い出すんだと思う。そうでありたい。

 

はいっ、前回までの記事。

【サンティアゴ巡礼の旅】 f5.6音楽は傍に、光の射す瞬間に。遠回りが正解になる人生だってある。4/4

※完全な私散文なので、情報が必要な方はご注意ください。

 

冒険をしてしまったものだから、

しばらくの間、「ロンドンが好き」という熱に侵されていた。

行きたい暮らしたい演奏したいが、毎日頭の中から離れない。

帰国後は日本で小さな幸せを求める一方で、

自分の身を滅ぼすほど胸を弾ませてしまう。共依存の恋の病かよ。

 

当時の恋人と喧嘩した時、「じゃあこれを機にロンドンに暮らすねー!」と張り切っているわたしを見て、彼は何を思ったのだろう。

 

四つの国のへんな底力

 

旅行の安全は「お金で買える」部分が少なくない。

一方で留学や仕事で海外に住むことになった場合、ビザの取得や銀行口座の開設、日本で現在暮らす地域の社会保険や年金、住民票の手続き…あれこれが必要。しかも「会社員」以外の立場があまり考慮されていない。

じゃあ中間を取って「暮らすように旅をする」って、どのような感じなんだろうか?

 

ふわりとした期待でイギリス情報を調べてみると、観光目的の旅であれば、通常は6ヵ月以内の滞在についてビザは不要と書いてある。

 

 

妹分をそそのかす。

 

わたしとロンドン行かない?できれば数ヶ月。←なんでだよ。

 

 

エッジーな土地よりは静かな場所で、できれば大家さんは日本人で。トイレ、バス、キッチンは共同で構わないし、リビングルームのシェアも構わない。

そうしてゾーン3のフラットシェア物件を3ヶ月借りた。

だいたい4〜5人ぐらいで一つの家を借りていて、1人£400(約6万円)~£500(約7万5千円)が平均的な値段。

 

食事は妹分が担当することに決まった。
トランクに米とデッカいペットボトルを入れて日本を出発した妹分は、おばあちゃんみたいな折り紙の皿を作ってお菓子をザラザラと入れた。出来る子だね!

移動はわたしが調べて手配する。
図書館はあの道を右手だね。地下鉄の券売機はこう。口座から出金するにはこのボタン。

 

私たちはロンドンを拠点に、4つの国を移動する。
コペンハーゲン(デンマーク)&スウェーデン、エジンバラ(スコットランド)、バルセロナ(スペイン)。

閉所恐怖症なのでエアバス移動に最初は怯んだが、回数を重ねてくるともうなんでもない。

 

春の終わりの危うい夢

 

ーー食事がスコーンだけでも、無料の美術館を中心に観て回っても、とにかく幸せだった。

それは旅行までの場合。

郊外で過ごす日常は何も起こらない。

食料を調達して、洗濯する。

世界のどこかに場所を移しても、やることって変わらない。

 

夢のような出来事なはずなのに。

日々の生活のループ。

家賃を払うために節約をしなければ。

なんだか暗い影を落としていく。

サンドイッチを作って、ハイドパークで食べる。

ブライトンの海岸の石で遊ぶ。

地上を走る地下鉄の中も面白い。

 

 

妹分は行く先々で、ずっと日本での仕事の話しをしている。

あらためて感心しながらも、それは少しだけ私の心に苛立ちの波風を立てた。

春の終わりに差し掛かる季節に、スーパーマーケットに向かう私の心は晴れない。

郊外での暮らしを慣らしている(仮)だけで、演奏活動には思うように参加できていない。

 

 

焦りは、ブラックホールのように膨張していく。

ねぇねぇ、もう置いてくよ?

 

エルプラット 空港泊作戦

 

二度目のスペイン旅行に突入した。

バルセロナほど、迷路みたいに感じる都市もなかなかない。しかも今回は日帰りだ。

スリ被害にでも遭ったら当日中にはロンドンに戻れないな、と緊張した。

ま、とにかく足の向くまま巡ってみよう。

 

アートで迷路のような街並みは世界中の人々から絶大な支持を集めるのもうなずける。去ってしまうのが惜しい気がした。

しかし、留学でも仕事でもない私たちは、根本的に小さなことすら何もできない。

日々の生活感の中にむなしく渦巻く「何もない無力感」は、旅行中でも苛立ちを忘れさせてはくれない。

 

だからこういう場合は、大抵凡ミスが起こる。

中心部からエルプラット空港までの地下鉄を乗り間違えた。電車の表示は難しくないのだが、実際に利用してみると方向が分からなくなった。

飛行機に間に合わない。

 

バルセロナ・エルプラット国際空港は広い。

妹分のほうが足が速い。
くっ、、体力が無い。先に、、、行って!!

搭乗口までの道のりは、
観測不能。

 

詰んだ。

 

飛行機に置いて行かれた。

 

 

 

妹分「節約したいから、ここに泊まれないかな?」

「バルセロナの空港のベンチってことだよね。」

 

じゃあ、英語つかって係員にチケットくださいって言ってみてよ?

一人で今ここでインターネット繋げてみてよ?

それから・・・それから・・・

心の中がぐちゃぐちゃと渦巻く。

何もできなくて苛立ってるのは、自分自身になのに。

 

 

「今回は、命!お金で買って!!」

声を荒げてしまった。

 

これまで散々ひとり旅で空港泊をしてきたのに、妹分の存在があるだけで、こんなにも弱くなってしまうのだろうか。

なんでアナタはアナタの事を大事にしないの!?

その時思った。
「暮らすように旅をする」ことは、
ただの旅行だったのだと。

ねえ見て。
なんの野菜か分からないね!

ロンドンのアパートメントのキッチンで、妹分が肉じゃがをこしらえてくれている。

 

結局バルセロナで飛行機に乗り遅れた私たちは、サンツ駅のホテルで日本語の使えるスタッフを捕まえて宿泊し、次の日の航空券をシッカリ買い直した。

ヨーロッパ内の移動はバスのような価格で二千円~三千円、フライト時間は2時間。

 

予定通り妹分が先に日本に帰国した。

その後、わたしは精神を患った男に部屋のドアを毎日のように叩かれて喧嘩して、ロクでもねえなと思った。

逃げ回っているうちにパリでの演奏予定もフイにしてしまった。

 

あは。
1人じゃ こわくて 寂しくて、なんも出来なかった。

 

前回の冒険は、現地の知り合いがいたから入り込めたのだ。

スーパーに行って、洗濯をして、眠る場所を探す。

日々の生活を作らなくては成り立たない。

愚かな私は知ったのだ。

 

痛い経験だったけれど、痛々しい経験にはならなかったから、まあいいか。

 

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 ライター 前田 紗希

 

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