【インド】デリーからジャイサルメールまで寝台列車で17時間|インドの列車は面白い!


私は”ジャイサルメール”という、インド北西部にあるタール砂漠西端の街にいる。

ジャイサルメールの印象は、砂漠の中にある砂の街。乾いていて、暑い。

建物はサンドストーン(砂岩)でできていて、土色。
所々に緑もある。土色と緑と広い空を見ていると心がだんだん穏やかになってくる。
人も牛ものんびりとしていて、ゆっくりとした時の流れに身を置くことができる街だ。
ホステルに着くなりオーナーがまずはチャイだといってチャイを出してくれた。 No chai no lifeになりつつある(笑)
どうやらこの街で出会う人はフレンドリーな人が多いようだ。

インドでは、道ゆけばいたる所に牛がマイペースに歩いている。
ヒンドゥー教において牛は神聖な動物。その牛はもちろん、彼らからとれる牛乳もインドの人々は日々大事に消費している。 
ジャイサルメール の街にも牛
 
 
ヒンドゥー教徒の多くは肉や卵を食べないため、牛乳や豆からタンパク質を得ている。
 
甘いヨーグルトドリンクラッシーや、スパイスを入れたミルクティーのチャイ、インド版カッテージチーズのパニールといったインドの食文化は、そのあたりに由来しているのだろう。
 

インドには、とある地域だけで飲むことのできるラッシー=マカニヤラッシーがあるという。

それを求めて、この街へと来た。

↑ インド全図
↑ ラージャスターン州全図

 

寝台列車で17時間

インドの首都デリーから、目的地のジャイサルメール までは、寝台列車で約17時間。
 
最初は17時間なんて長いと思っていたが、インドの旅が進むに連れ、この程度の距離の移動はインドの旅にとっては当たり前だと思うようになった。


多くのインド人は気軽にこの長距離列車を利用している。

 

 
私にとって初めてのインドの旅。


しかも初めての寝台列車移動で、良くも悪くも、心臓が落ち着かないのは確かだ。

安全策をとって、デリーの宿から駅までの送迎+列車の乗る座席まで案内してくれるサービスをお願いすることにした。



 

現地のツアー会社を利用すれば、何かとありがたい


日本で長年働いていたインド人とその息子が経営するシゲタトラベル では様々なサービスを提供している。日本語でも対応可能。
この写真の通りにシゲタトラベルがある。

 

私がシゲタトラベルを初めて訪れた時は、フロントデスクで20代の息子が日本語の勉強をしていた。

デリーの空港から宿まで送迎してくれるサービスや、列車や飛行機のチケットの手配、自社で経営する宿の宿泊パックもある。

ネットからだけでなく、デリーのオフィスでも予約や相談も可能だ。


両替も正規のレートででき、オフィスのWIFIトイレも使わせてくれる。



インドの旅で“コンチキショー!”という思いをした時に愚痴も聞いてくれるし、町歩きでインド人店員の猛烈な売り込みに疲れた時にも座って休憩させてくれる。




私が、宿泊予定のホテルからメールの返信が来なくて困っていると、オーナー自らそのホテルに電話してくれて解決してくれた。



デリーを離れる時には、何かあればいつでも連絡してくださいと息子がLINEのIDも教えてくれた。



何かと心強い現地のツアー会社だ。




今まで数カ国ひとり旅をしてきたという変なプライドから、出発前はこの会社を利用することをためらっていた。


ツアー会社なんて使わずに自力でインドを旅するんだと。そのくせ色々とビビってインドへの一歩が踏み出せずにいた。

でも、この会社のサービスを利用しようと決めたおかげで尻込みしていたインドへの旅の一歩が踏み出せた。


未知なる一歩は誰でも怖いもの。



インドの雰囲気やシステムに慣れるまではここのサービスを使うのも賢い選択肢の一つだと思う。

 

デリーの空気

デリーの大気汚染は、学校が休校になることも頻繁にあるほど、深刻だそう。少々のことは気にしないインド人でさえも外を歩く時はマスクをつけている人たちがたくさんいる。
 
私がインドにきて最初に大気汚染の深刻さを感じたのは、太陽が肉眼で見えた時だった。本当なら眩しくて直視できないはずの太陽がデリーでは直視できたのだ。
きっと金環日食を見るのには専用のメガネいらずで便利だろう。
 
目が良い人だったら太陽の黒点まで見えてしまっちゃうかもしれない。

そして、天気は晴れていても日本でいう ”青空” を見ることはデリーでは一度もなかった。
 
 

社会科時間タクシー

 
ドライバーのおじさんに連れられて送迎用の乗用車に乗り込む。
デリー駅はとんでもなく混んでいて車を停めれないので少し離れた郊外の駅まで行くことになった。
 
後々わかったのだが、単にその駅がドライバーの家の近くで、私を送ったあとそのまま家に帰れるからという理由だったようだ。
 
こんな風に、インド人は、なるほどな理由をつけて自分の良いようにするのが得意な人が多い笑
かつて列車で強制的に脱がされ、扇風機の上に置かれた私のサンダル




駅へ向かう車の中で運転手さんのアレンジメントマリッジ(親が同じカースト同士の結婚相手を見つけてきて結婚をする)の話を聞く。

中学の社会の時間に習った「インドのカースト制度」を身に沁みて感じた最初の体験だった。
 
今でこそインドの大都市では自由な恋愛や結婚が浸透してきているそうだが、現地で話を聞くと、まだまだアレンジメントマリッジはマイナーになったとは言えなさそうだ。
 
親が探してきた相手と、たった2、3回会っただけで結婚するかを決め、所帯をもって生活する。そして、ヒンドゥー教の教えからきているのだろう、インドでは結婚後、妻は夫の両親やその家族とともに生活するのが基本のようだ。
 
 
たった数回しか会ったことのない男性と結婚して、ましてやその相手の家族と生活を共にする。
私だったらお断りするだろう。
 
まぁ、まず誰も頼んできてはいないのだが。
 
 
とにかく私にとっては理解できないシステムだったし、そんなやり方で結婚して、幸せなのだろうかと思っていた。
 
インドの旅の間、色々な土地でアレンジメントマリッジについてインド人と話したが、皆、アレンジメントマリッジでも幸せだと言っていた。



 
”結婚はした後の過ごし方が大事で、お互いがお互いに歩み寄りながら日々生活することで段々と日々が楽しくなっていく”そうだ。
 
単に彼らが強がって幸せをアピールしていただけなのかもしれない。が、そこは本人のみぞ知る。

 
結婚のスタイルについて考えさせられるプチ社会科授業な時間をすごし、駅に到着。


運転手さんが調べたところによると、列車は1時間遅れだそう。
 

 期待を裏切らないインド時間。

 



”これが噂の、インドの列車は遅れるってやつか~。”とニマニマ。



駅のホームには売店があって、日本でもおなじみのサモサが売ってあったり、お兄さんたちがチャイを売り歩いていたりと、いきなりインドらしさ全開だった。



列車待ちの人たちも、列車が遅れていても急ぐ様子もなくチャイを飲んだり、おしゃべりしてマイペースに列車を待っている。
 

砂の城へ向かう”旅列車” 

 
小一時間列車を待ち、運転手さんが私の乗る車両と座席まで案内してくれた。
 
ちゃんと列車に乗れるか気を張っていた私も、やっと一安心。
 
私の車両は2AC席と呼ばれる2段ベッドが向かい合う車両だと思い込んでいた。
だけど実際に席に着いてみると、1段ベッドが向かい合い、各入り口にドアがあってさながら個室のような席だった。
  長距離列車は大まかに分けて

各車両ごとにクラス分けがしてある。

1AC・・・エアコン付きの1等クラス(個室にベッドが備え付け)

2AC・・・エアコン付きの2等クラス(2段ベッド、カーテンで通路と仕切りを作れる)

3AC・・・エアコン付きの3等クラス(3段ベッド、カーテンはない)


スリーパー・・・エアコンなし3段ベッド、カーテンはない



セカンドクラス・・・予約不要、硬い板張りかプラスチック製のシートが並ぶ

 
自分のベッドの手すり部分とバックパックを自転車の鍵でロック。誰かに荷物を持っていかれるのを防ぐためだ。 
 
 ひとまず、ベッドに寝転がってグーッと背伸び。
長い間バックパックを背負ってウロウロしていたし、列車移動がどんなものかとかなり緊張していたのだろう、この個室で周りを気にすることなく安堵の気持ちに浸っていた。
 
その数分後、車掌さんがチケットをチェックしに私の個室へやって来た。なんと!私の座るはずの席は全く違う車両だったのだ!
 
 
ちょっと、ドライバーのおじさんちゃいますやーん!
 
全然乗る席合ってませんやーん!!!
 
関西人でない私でも関西弁が飛び出してしまうほど不意をつかれてしまった!

 
なんと、私の座る車両は2A席、そして今私がいる車両は1A席。いわばインドの列車のファーストクラスに知らずに乗っていたのだった!



もちろん車両からは強制退室。

 
座席まで案内してくれたドライバーさん。
別れ際やけに挙動不審でソワソワとしながら私の元を去って行ったのは、案内した席に自信がなかったからなのかもしれない。
 
 これもまたインドの醍醐味である。
 
 
というわけでシゲタトラベルにはこのようにインドのちょっとしたハプニングを経験させてくれるというオプションプランもあるようだ笑
 
列車の車窓からの景色は、日本では見ることのないような景色ばかりで、飽きがこない。
 
列車のスピードも決して早くないので、気持ちも身体もゆったりとした気持ちに包まれる。
 
私が乗った時は乗客もかなりまばらだった。
 

写真のお兄さんも余裕の笑み。

 

 
 
だが、行き先や曜日、乗る車両のクラスによってはラグビーのスクラムばりにもみくちゃになることもある。
 
私も別の列車のスリーパー席に乗った時に列車内でもみくちゃになったことがあった。




悲痛な表情を浮かべて周りにアピールし続けた甲斐あって、座席の上にある荷物置き部分に引っ張り上げてもらって助かった。
そう、インドの列車は面白い!

荷物棚に私を引っ張り上げてくれたお兄さんたち
引っ張り上げられた荷物棚からの眺め

 



 ライター Youki

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【LoFi Hiphop BGM】流れるイオタ『黄昏を駆け抜ける』 (Official Album Video) – Driving through the twilight

 

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