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【マリンディ】日本人にとってのリズムとは同調。アフリカ人にとってのリズムとは対話 |リズム音楽世界旅紀行〜ケニア編③〜


ケニアの旅は、とんでもないカルチャーショックの連続です。

もう一度修業に行きたい国ケニア。大好きな国ケニア。


スーパーディープな、音楽修業の顛末を、

あまりにも事が多すぎて一度じゃ書ききれないので、数回に分けてお送りします。

東アフリカのプリミティブな音楽に飛び込むリアル体験談。

今回はついに音楽編に突入!

電気,ガス,水道のない村に住みこみ、ディープ過ぎる音楽に出会う。


通常の旅行者では入り込めないDeep Deeper Deepestな音楽と生活をご紹介いたします!




皆さんこんにちは。Groove冒険家のZin “Atrevido” Hitoshiです。

ケニア編第三弾。怒涛の入国編、ハードボイルドTawala編からの続きです。


無事、俵さんの家に到着し、明日からの旅程を打ち合わせします。



案内役を務めてくれるのは、我が心の師、そして友である”俵さん”
右腕的存在「Saidi サイディ氏。」
厳しい鬼師匠としてミッチリとSengenyaと呼ばれる複雑な入れ子式リズムを仕込んでくれるそうです。

 



〜〜


*アフリカの言葉がたくさん出てきますので、導入部は色分けガイドと共にお読みください。「人名」あお、 「地名」むらさき、 「民族名」オレンジ、
「音楽名」あか 「リズム名」赤ライン

Tawala
うん、太鼓の修業は今回じんくんの師匠になる、Saidi サイディの住む村マリンディでやってもらう。 
マリンディのあるコーストエリアはミジケンダという諸民族が多く住むところ。
  
サイディの民族、ドゥルマ族の【ンゴマ『Sengenya (センゲーニャ)』を学ぶのが、今回のじんくんのメインミッションだ。 
 
太鼓の歌わせ方や音楽の緻密さを学ぶのにはもってこい。 
なんたって5拍子の曲を楽しむ民族だからね(笑)
 
インターロッキングなんだよ。え?ポリリズム(複合拍子)の事だ。
複数のメロディーが折り重なって編み込まれている。だからインターロッキング。
 
ンゴマ】?そりゃ音楽やダンス、それらを総称して『ンゴマ』と呼ぶ。音楽とダンスの垣根はないのさ。2つでひとつだからね。
 
それと俺が住んでたギリアマ族の村に行ってマブンブンブも学んできなさい。
ケニアのンゴマミジケンダの音楽が面白い!
  
俺は仕事があるからついて行けないけど、何か分からない事とか出てきたら電話してきなさい。
俺のChapuo(チャプオ。これから使うメインの太鼓)をじんくんにあげよう! 
 

ではがんばって!サファリ・ンジェマ(いい旅を)!

 

 

 



話は少し逸れますが、僕がケニアを選んだ理由のひとつとして英語圏というのがあります。

アフリカはフランス植民地だった国が多く、そのため公用語がフランス語が多いのですが、我々日本人にはフランス語は遠い存在。英語圏というのはやはりメリットが多いのです。


とは言え、僕の英語レベルと来たら中学生レベル。
中学生用の英語の本とか買って読んでましたからね。サイディーとの会話はかなり大変でした。


それと、アフリカには「ン」から始まる言葉が存在します。「ンゴマ」「ンジェマ」そしてコーヒーで有名なキリマンジャロも「キリマ・ンジャロ(ンジャロ山)」らしいですからね。


この「ン」から始まる言葉に音楽的な関心を抱いたのも僕の旅の理由のひとつ。


日本人にとって音楽の中で「ん」とは『休符』の数え方として存在します。
しかしこの「ん」が曲者で結構力入っちゃうんですよね。なんたって息止まりますからね。力み過ぎてリズムがカットされやすい部分でもあります。
しかしその「ン」が言葉のひとつとして存在している人達にとっては休符ではないのではないか?
「ン」が豊かに響く『音符』として存在しているなら力まないはず!




その辺りのテーマも丁度よく入ってきて、ケニアの旅のスタートに幸先の良い言葉!


サファリ・ンジェマ!!
イノシシでしょうか〜?

首都ナイロビ(首都)~モンバサ(コーストエリア)までの道のり

さてここで、ようやく我がンゴマの師匠になるサイディ氏が本編に登場(今までも同行してましたけど(笑))!
まずはリゾート地として世界的にも名高い「モンバサ」へのバス移動です!




ナイロビのバスターミナルから「モンバサ」まで約8時間。長~い道のりです。
途中何度か警察の検問が入ります。


あとで俵さんに聞いたとこによると、
この検問が儲かるらしい(笑)
コラプト(ワイロ)がはびこるここケニアでは
警察、
特に道路交通課、
さらに検問は一番の人気職(笑)!


ナイロビ(首都)~モンバサ(コーストエリア)間ルート」はここを避けては通れないし、仕方なく全車両がワイロを払う。もうガッポガポ(笑)!
そしてそんな人気ルートの検問は警察皆が狙う職!そしてその職を奪われまいと検問官はワイロを人事課?に払い…。というワイロの縮図が出来上がる。
すごい話ですよね~。
途中ケニアで一番大きな西ツァボ国立公園も横断し、車窓から動物達もチラホラ♪

ケニアではバイクタクシーも主流。沢山のバイカーさんが客待ち






そんなこんなで「モンバサ」へ到着!いや~、長かった!


と思っているとサイディがバス乗換だと。
ここからはバスといってもバンですね。ハイエースが人気のようです。


ここに来る前に修業に行ったガーナもそうでしたが、アフリカでは庶民の足はバン。
なるほどトヨタが世界で人気な訳が分かりますね~。


日本で言われている乗車定員なぞどこへやら。
詰め込めるだけシートを詰め込んでタコ乗り状態で15名以上は乗りますかね。料金を徴収する助手さんなど車から半分以上はみ出た状態ですからね!


サイディの住む村「マリンディ」は、モンバサからさらに2時間ほど離れた場所です。

 

ガスなし!電気なし!水道なし!マリンディの村。

ナイロビを出発してから10時間!ようやく「マリンディ」に到着です!


バスを降りるとのどかな風景。「アフリカ来た~!!!」って感じです♪


小さな林を抜けると、目の前にはこじんまりとした村。僕がこれからお世話になる村です。

サイディの家族を紹介され、村には沢山の子供たち。


屋根は茅葺き、壁は固めた土。その壁には無数のむき出しの木の枝が刺さっています(壁から10cmは飛び出しています)。
おそらく壁土を盛る時の基礎なんでしょうけど、危ない危ない。これでよく子供達は遊んでてケガしないもんだなと感心します。


逆に言うと日本は転ばぬ先の杖が過ぎるのかもしれないなーと感じました。


本当に目の前に危険があれば、人は動物的本能で回避するものなのかも知れませんね。

よーく見ると壁に木の枝がとがったまま刺さっているのが分かります。しかし皆かわいい。
 
 

サイディ「ジンの家はここ。俺の息子が住んでた家だが今は誰も住んでいないから。」


と案内された一部屋作りの家。


いやー、言われてはいましたけど、

本当に電気も水道もガスもない!



ワクワク感が止まりません!




早速マラリヤ対策の蚊帳を部屋の中に張り、蚊取り線香を設置!


サイディ「準備できたらご飯。そのあと早速修業開始だ!」

右の家が僕が泊っていた家。テレビで見るような村生活が始まる。

こちらが村のご飯。基本手で食べます。さぁ!たらふく食べなさい!とばかりにヤバいほど大盛りなのはありがたいのですがお味が大味…(持ってきたふりかけ大活躍!)

 

さぁついに僕も読者の皆さんも待ちに待った音楽編の始まりです。

*アフリカの言葉がたくさん出てきますので、色分けガイドと共にお読みください。

「民族名」オレンジ、「音楽名」あか、

「楽器名」みずいろ、 「リズム名」赤ライン

 

まず主になる楽器の紹介。



「Upatsu (ウパツ)」
これがリズムの基準になります。ここでは缶を叩きましたが、金属製のものなら多分なんでも。他の村ではトタン叩いてましたからね。のちに行くギリアマ族では「ダバ」と呼ばれます。
「カカカカカカカ…」と打ち続けられるウパツ。もしかしたら彼らには「ウパツウパツ…」と聴こえるのかも知れません。



「Chapuo (チャプオ)」

長細い両面太鼓が大小2台。これがメロディーのベースを作ります。
より長い方が若干音程が低く一番の基礎メロディーを奏で、短い方がその間を縫うようにメロディーを奏でます。これを『インターロッキング』とここでは呼ばれています。


・左側に低い音程面『Dumbo(ドゥンボ)』(サウンドDin)
を置き手の平半分ほどで叩く(コンガのOpenと近い感じです)
・右側に高い音程面『Lukwakwa(ルクヮクヮ(右手))』(サウンドKa, NGa)
エッジを指先のみで叩く完全に高音重視。
どちらも名前がサウンドを表してますよね!




Sengenyaに代表される曲5拍子の曲「Yandaro」では以下のようなアンサンブルです。
Upatsu  「kakakakaka kakakakaka」
1st chapuo「Din ganga Dinganga」
2nd chapuo 「naganDiga nganDiga」


文字にするのが難しいですね。。。
日本語に例えるなら1st「これな~に?」2nd「な~にこれ?」を延々言い合っている感じです。

インターロッキング。基本的には互いに反対の、しかも相手のスペースを見つけて間を文字通り「縫うように」メロディーを奏でます。
この2つのChapuoがステレオで左右の耳からやってくる訳です。


ミニマルビートと呼ばれる短い長さのリズム,メロディーを周期的に叩き続けるのでトランス感がハンパない!!


よく太鼓叩き、アフリカというと「ドラッグやってるでしょ?」と言われてしまう事が多いんですが(実際にドバイの検問通過で徹底的に取り調べられましたからね)、この際ハッキリ言いましょう!そんなもの必要ありません(笑)!


本当に気持ちの良いビートを奏でる太鼓奏者は演奏するだけでいつだってトリップできるのです♪

特にこのSengenyaの音楽のトリップ感がハンパない!「うわぁぁぁぁぁぁぁ」と叫びたくなる鳥肌モンのステレオ感です。






俵さんから

「日本人にとってのリズムとは同調。アフリカ人にとってのリズムとは対話」



というガツンと突きささるお言葉をいただきました。




例えば全日本人にとっての一番の基となるリズムと言えば「一本締め~。いよ~ぉっ、『パン!』」あとは3.3.7拍子


これは同調ですよね。リズムとリズムがガッチリ噛み合って終わりを告げる。その続きが想像出来ませんよね。




それに対して「対話」であるリズムはエンドレスです。「これな~に?」「な~にこれ?」の繰り返しなので留まる事を知りません。


実際Chapuoの演奏を始めると相手が終わってくれない限り自分からは終われない感覚です。延々と繰り返されるミニマルな対話。それこそ30分とかはあっという間に経ってしまいます。


例えばYouTubeの長い動画でも、見る側だとその長さに飽きてしまったりしますが、演奏する側はそんな事ありませんね。自分なのに自分が止められない、言うなれば「走り始めたら自動制御の音楽マシン」です。




それと同時に別の事にも気付かされました。

インターロッキングしているとテンポ感はキープされる。



なにせ相手とリズムが編み込みになっているので、テンポもリズムの位置もズレたくてもズレようがありません。


これは分かりやすく同じ太鼓同士だから掴めた感覚ですが、実際のバンドアンサンブルもお互いに違う楽器を持ちつつも相手の音と自分の音が混ざり合ってひとつのものを形成しているという感覚が掴めればポピュラーミュージックにも応用できると感じました。

実際に滞在中ひとりで練習している時、子供がやってきて太鼓を叩き始めたんですよね。
でもすごく小さい子だったので僕の叩いているリズムと若干噛み合わなく入ってこれませんでした。
そしたらすぐ叩くのを止めちゃったんです。


要は音楽はアンサンブルとして存在し、相手との対話が成立しないと楽しさを感じれないのかなと感じました。


僕のリズムが現地の色、言葉になっていなかったのはもちろん感じていましたから僕のリズムがいけなかったのかも知れませんが、とにかく音楽として音が響かないと皆演奏を止めてしまう。これは今後の生活でも感じた事でした。





そしてこのChapuoの演奏の難しさにも直面しました。
何せ両面太鼓で両側叩きますから、腕の動きが左右なんですよね。


ドラムコンガなどは上下運動ですので重力が有効に使えますが、横運動ってのは日常にほぼない動きですから非常に疲れる!


そして演奏姿勢はイスに座ってひざの上に太鼓を置き、太鼓の余った紐を股に巻きつけ固定するという原始的な方法。太鼓が揺れるわ、足が疲れるわ、腕は肘をかなり引いた状態で叩き続けるのでこちらも大変疲れます。。。




そして音の出し方もやはりコンガとは違います。特に利き腕ではない左手でベーストーンを出し続け、しかも右手の高音を出す時に左手は左面をミュート(押さえて止める)しなくてはなりません。
ミュートをしないと高音側の音を出した時、低音側の音がまだ伸びているので音が重なりあってしまうんですよね。



そんなのピアノベースなどで考えたら当たり前に、音が重ならないようにする事なんですけど、ドラムって楽器は基本叩いたら放置の楽器なので、その止めるという動作がやたら難しい!
でもこのミュートを覚えると感覚がかなり変わります。止めないとかなり気になるようになって、耳が良くなります。





ミュートする際に音が鳴ってしまってはダメだとサイディ師匠。静かにそっと置いてミュートする。割に、またすぐさま叩かなくてはならない。


右手のハイトーンは左手と同じではなく指先(第一関節部分までだけ)太鼓の端を「Ka!」と勢いよく叩く。これが痛いのなんの。指は反り変えるし、これ続けたら関節やられる~!と思うほど。


そして肝心の「歌う音」。これがしっかり出ていないと土俵にも上がれません。1秒たりとも全く気が抜けない割に最低でも15分は続くし…。


胸筋が滞在中の2週間ですっかり大きくなってしまうのではないかと思うほど疲れました。

これがチャプオの基本演奏姿勢。アンサンブルの手伝いをしてくれるIsa(イサ)。見た目のイサの筋肉は相当のものだが実際の演奏はリラックスそのもの。やはり卓越した奏者は力みなくいい音を出し続けるのだ。その域まで行きたい。

ハーイ。初メマシテー。とにこやかに表れた青年Bati(バティ)。演奏で日本に行った事もあり年も近いのでかなり仲良くなった。アンサンブルを始め身の回りの事などずっと手助けしてくれた。このあとバティの身に大変な事が起こるのだが…。

 

音を聴き分ける力「音楽耳」というのがある。



先ほど耳が良くなるという話をしましたが、これも僕の旅のキーワードです。


『音楽耳』


これは聴音検査の耳の良さではなく、音を聴き分ける力
例えば楽器をやっていなかった頃は基本歌しか聞こえず、あとは興味がある楽器だけしか聴き分けられませんでした。


始めはドラム志望ではなく、誘われたバンドの『余った楽器がドラムだったから』という理由で始めた僕は「ドラム?何それ?その楽器聴こえんの?」って言い放ちましたからね(笑)


読者の皆様もすべての楽器は聴こえないはず。


そういう楽器,リズム,音程などを聴き分ける力が『音楽耳』
僕の場合特に音色を重視して力をつけたいと思い、現地流の歌い方,歌わせ方には注意しています。


『口伝』とはそういう事だと思います。それはやはり『譜面』ではなし得ないのです。




では今日はこの辺で。
Hasta la próxima(また次回)!!


秘境対応の持ち物編⇨【リズム音楽世界旅紀行】海外旅行の必須持ち物を全部教えちゃいます!アフリカ・南米にも対応の便利グッズ





ライター Zin ” Atrevido” Hitoshi



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