ロンドンからパリへは、国際列車ユーロスターでたったの2時間25分。

こんな近距離でありながら、異国情緒溢れるパリへの日帰りや短い滞在も十分に楽しむことができます。

ロンドンのセントパンクラス駅から乗車し、ユーロスターに揺られてパリ北駅へ向かいます。

日本で英語ができる友達と歩いていると、外国からの旅行者からよく道を尋ねられることがあります。

あなたと一緒で良かった!でもどうして英語が出来るってわかったんだろうね?

旅人には何か特別な”運”や”嗅覚”があるのかもしれません。

~『旅にはトラブルがつきものだ。騙される事も多い。
しかし、その倍、いや3倍以上、現地の人に助けられて旅を続ける事ができる。
自分を騙す人もいれば、自分を助けてくれる人もいる。
そういう旅の真実が身についているのだ。』(下川裕治 コラムより)~

 

旅にはトラブルもつきものですが、同時に現地の人々からの助けや親切もたくさん受けることがあります。

知り合いのいない土地で出会った人々は、まるで神様のように感じられることがあります。

 

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ドーバー海峡を渡る国際列車に乗ろう!


ユーロスターは、ドーバー海峡を渡って、時速300kmでヨーロッパ大陸まで連れて行ってくれる列車です

パリまではわずか2時間25分。時期によっては片道5千円以下で移動できるお得なチケットも手に入ります。

列車内には軽食、飲物などが購入できるビュッフェが2車両。

車椅子利用者や家族用のファミリースペースなどがあり、快適な旅が期待できそうです。

 

出発はロンドン・セントパンクラス駅。

 

Eurostarの矢印に従って行けば難なく着く事ができます

 

宮殿のように美しい建物で、wifiが使えます。

女性スタッフの方がゆっくりとハッキリした英語で切符を渡してくれました。

 

国際列車なので、飛行機と同じで2時間前のチェックイン。

 

空港みたいに広くはないので、そのほとんどが待ち時間となります。

ロンドンを離れる前に、ペンス(小銭)を使い切ってしまおうと、売店でポテトチップス売店でお気に入りのポテトチップスを買って、待ち時間を楽しみました。

イギリスはポテトチップスの種類が豊富で、とても美味しいのです。

 

朝6:52発。パリでのランチにも余裕の時間。座席は2等、1等、プレミア。



列車に乗り込むと、狭いボックス席で「ちょっと苦しい」状況が待っていました。

通常、座席は「進行方向を向いた2人掛け」ですが、

私の割り当てられた席は「ボックス席の相席」でした。

 

しかし相席となったのが  “それを上回る体の大きめの方々” でしたので、席に入りきらない!

 

私は小柄ですが、それでも横幅が30%カットされ、足は席に入りきらず、ほぼ150度くらい折り曲げる必要がありました。

体育座りしていくしかない…!!

 

しかも、席は進行方向と逆向きでした。

相席の方々は家族連れで、特に大きな体格の夫妻は、「ごめんね、ごめんね」と謝ってくれました。

これは日本ではあまり体験することがない光景です。


隣の席には、ブルーアイズの可愛らしい姉妹が座っていました

彼女たちは頻繁に席を立ってどこかへ行き、食べ物を持って戻ってきました。

 

最初はハンバーガー、

次にピザ、

そしてアイスクリーム、

そして板チョコレートを1枚丸ごと

 

どんどん続き、

食べ終わっては席を立って また新しいものを購入してきました。

 

お人形さん???

今は??今だけってこと???

 

私は、ボックス席で体育座りしながら、

彼女たちの行動で、この状況の背景を理解しました。


パリ北駅での待ち合わせ


巨大なサイズの家族に囲まれたあたたかさに包まれて、つい眠ってしまいました。

目が覚めると、外はしっとりと雨が降っています。

もうドーバー海峡は渡り終えたのかしら?



パリ北駅まで、パリ在住のファッションデザイナーのお姉さんが、親切にも迎えに来てくれることになっていました。

困らない様に、困らない様に。旅人は、うまく運ばれていきます。

まるで小包になったように。

 

「パリ北駅まで迎えに行くから、そこで待ち合わせしようね。比較的治安が悪いので、降りたところのプラットホームから動かないで待っててね!」

と、約束していました。

 

日本のターミナル駅を想像すると、

出口がたくさんあるので、「本当に会えるのかな?」と緊張します。

到着してみると、気軽な待ち合わせの謎が解けました。

パリの到着ホームには、出口の改札などなかったのです。

どのホームも、後ろに行くと直接外に出られる古き良き作りの駅でした

(それでも「もし会えなかったら、相手は私を待っている理由などないだろうな」と、心細く感じました。)

 

今では携帯電話が普及しているので、正しい待ち合わせのスタイルに不安は少なくなりましたが、

時間と場所を決めて、会う「昔はこういう待ち合わせが当たり前だったんだな」と、思い出しました。



迎えに来てくれたお姉さんは、ファッションの仕事のためにパリに渡り、その後地元の男性と結婚してモンマルトルの近くに住んでいます。最近は学校に通い始めた、パワフルな女性です。

「どこに行きたい?」と聞かれ、「モンマルトルの丘に行ってみたい!」と、知ってる単語を伝えます。

サクレクール寺院からエッフェル塔を見て、

ギャラリーで個展を見て、

丘の上の隠れカフェでお茶をして、

そこからルーブルの裏でランチ。

凱旋門に行き、

シャンゼリゼ通りを通って、

マレ地区を見て、

セーヌ川を歩く。

贅沢コース!!

 

そこで、15歳くらいの男の子から「英語なんてディスライクだよ」と言われたのです。

ウワサ通りのセリフに、パリを実感して感心します。

最近はそういうことはないと聞いていたので、偶然の経験に更に喜びます。



初めて歩くパリは、美しいというイメージとはちょっと異なるように感じました。

まずホームレスが多く、観光地ではスリだけでなく、容赦なく腕をひっ掴まれます。

地下鉄は年代物で、ドアは手動で、電車がプラットホームに着いて少し動いている時に、ドアを開くことができてしまいます。

 

ヒッピーと呼ばれる人たちが、ホームや車内で演奏をしてお金を稼いでいて賑やかです。

落書きやゴミも目立ちました。

昔ながらの素敵な建物にはクモの巣があるところが。

「古いものをそのまま残してあるのが、ここのいいところ」なのだそうです。

 

お姉さんは歩きながら、色々なことを教えてくれました。

ファッションの話や、パリジャンの旦那様の話などたくさんしてくれたので、

思わず、「きらびやかな幸せオーラを分けて下さい!」と女神に懇願しました。

たくさんあるから、いいわよ!」と彼女は微笑んでいました。

 
シテ島で美しい雨を見る

ランチを食べた後、私はひとりでシテ島に向かいました。

サンシャペル教会  -Sainte Chappelle- で、

サンシャペル教会で観光人向けのクラシックの演奏があるのをお姉さんから教えてもらったので、

見に行くことにしました。

サンシャペルは世界遺産に指定されており、ゴシック建築の最高峰だと言われています。その美しいステンドグラスには息をのむほどで、一日中いても飽きることがありません。

フランスはクラシックの近現代の作曲家をはじめ、絵画や映画でも素晴らしい芸術家を輩出している国というイメージです。

留学されている方も少なくありません。

それほど魅力のある場所であり、環境なのだと思います。

 

セーヌ川の人口海岸には人々がたくさん集まっています。


ノートルダム大聖堂から出ようとした時には、外で突然「ドン!」という音がしました。

入り口辺りでザワザワと人が波打っており、よく見えませんでした。

銃撃戦でも始まったのかと心配しましたが、正体はスコールによるものでした。

雨が上がるまで、寺院内の席でうとうとしていましたが、

心に響くものは何もありませんでした。

いいのか悪いのかも分かりません。

 

雨上がりに青空が見えた時、まるで嘘のような真っ青な空に感動しました。

夏は日が長く、パリは石畳の道。

雨上がりの美しい景色に、心が動かされました。

動かなかった心は置いて、「う・・・美し過ぎる。」と感じながら、

カメラを持って石畳を駆け出しました。

ちょっと滑るけれど。

わずかなフランスの滞在も終わりの時がやってきました。

ロンドンからユーロスターに乗れば、パリまで日帰り旅行も可能です。

切符の予約と購入は、クレジットカードさえあればオンライン上で簡単に行えます。

 

旅日記をお読みいただき、ありがとうございました。それではまた♪



 ライター 前田 紗希
  
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