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【マリンディ】ついにラスボス登場!ンゴマ・ンネ |リズム音楽世界旅紀行~ケニア編⑤~

 

ケニアの旅は、とんでもないカルチャーショックの連続です。

もう一度修行に行きたい国ケニア。
大好きな国ケニア。

スーパーディープな、音楽修業の顛末を、

あまりにも事が多すぎて一度じゃ書ききれないので、数回に分けてお送りします。

 

東アフリカのプリミティブな音楽に飛び込むリアル体験談。

前回からついに音楽編に突入(笑)!

 

電気,ガス,水道のない村に住みこみ、ディープ過ぎる音楽に出会う。

通常の旅行者では入り込めないDeep Deeper Deepestな音楽と生活をご紹介いたします!


 

*アフリカの言葉がたくさん出てきますので、導入部は色分けガイドと共にお読みください。

「人名」あお、 「地名」むらさき、 「民族名」オレンジ、
「音楽名」あか、 「楽器名」みずいろ、 「リズム名」赤ライン

 

皆さんこんにちは。Groove冒険家のZin “Atrevido” Hitoshiです。

ケニア編第五弾。前回からついに始まった音楽修業編らの続きです。

 

現在滞在中の場所はケニアのマリンディ

マリンディのある海沿いのエリアには広くミジケンダという諸民族が住み、ここケニアでの案内人俵さんより彼らの音楽が面白いという事で、ドゥルマ族の僕の師匠Saidi(サイディ)を紹介いただき、サイディの村に滞在してSengenya(センゲーニャ)と呼ばれるNgoma(ンゴマ。音楽、ダンスの総称)を学んでいる最中です。

ほんっと知らない横文字ばかりで頭がハテナ?になりますよね(笑)でも何とな~く分かってくれれば大丈夫ですからね。興味のある所から少しずつ。

 

さて、前回のお話「黒いキャンバスに浮かぶ見える音」、これが僕の中で大きく大きく音楽人生が変わった瞬間でした。

しか~し!まだまだケニアのDeepさは留まる事を知りません。

Sengenya(センゲーニャ)のベース楽器であるウパツと大小2台のチャプオ。

(※下の金属の皿がウパツ。上の太鼓2台が大小のチャプオ)

ついにメインの太鼓、歌う「ンゴマ・ンネ」登場!!

 

入れ子式に編み込むポリリズム。だいぶ慣れてきたのでいよいよこの時がやってきました。

 

サイディ師匠「Zin、今日からンゴマ・ンネだ!」

 

ンゴマは上記しましたが音楽,ダンスの総称。ミュジキという言葉が音楽を指すのですが、それはMusicのケニア訛り。公用語が英語ですので当たり前と言えば当たり前ですが、ケニアに古来からあった言葉はンゴマなんですよね。

「ンゴマ」。これは音楽だけでなくダンスも含めて呼ばれるという所に萌えますね!

やはりアフリカ源流の音楽にはダンスは切っても切り離せないという事が伺えます。

 

そして「ンネ」の意味は数字の「4」。英語でFour Drumsと言っていたので間違いないですね。

4つの音程の違う太鼓を並べて叩くのです。こいつがSengenyaの親玉的な存在で、ひたすらソロを叩き続けるのです。

 

人やタイプによりますが、ドラマーってのはソロは苦手なもんです(笑)

特にポピュラーミュージックの中でのドラムの役目はGroove重視。歌やギターなどの花形の土台。支え役です。よくギターの人とかずっとソロとか弾けるよなーと関心するもんです。

それが今日から僕の役(苦笑)。でもずっと興味がある部分でもありました。

 

ちょっとドラムの話に戻りますが、その頃は「ドラムにタム(メロディー太鼓)なんて必要ないでしょ。Beatがきっちり出せるバストラムとスネアとハイハットがあればそれで充分」と思ってました。

逆に言うとタムの有効な使い方が分かっておらず、「タム好きになりたいな。カッコよく叩けるようになりたいな」と心の中では思っていたのです。

 

そしてついにやってまいりました!4つのタムタムをメロディーの如く叩く日が!

左から

最低音 Vumi(ヴゥーミー)・・・片面太鼓 発音「Ba↓」

第2最低音 Bumbumbu(ブンブンブ)・・・片面太鼓 発音「Pa↓」

最高音 1st Mchirima(1st ムチリマ)・・・両面太鼓 発音「Pe↑ ,Te↑」

第2高音 2nd Mchirima(2nd ムチリマ)・・・両面太鼓 発音「De↓」

 

なぜ最高音の1stを左から3番目に置くかと言うと、この子供のようにそこに構えるからですね。

この1stを機軸にメロディーを作っていく訳です。

それと左2つは片面太鼓で右2つは両面というのも面白いですね。進化の過程で欲しい音がそうなっていったのでしょうか?

 

といってもこの「ンゴマ・ンネ」歴史はそれほど長くないようです。ンゴマ・ンネを開発したとされる方々は今もご健在との事。

最初は2台の太鼓を使っていたのを段々と沢山のメロディーを作るように4台になっていったとの事です。

 

のちにナイロビに戻った時に指導していただいたンゴマ・ンネを創ったひとり、レジェンドのKapapa(カパパ)師匠の演奏をご覧あれ!

左手でナイフを使っていますよね!これがンゴマの妙技!

ナイフの柄で出した音をベンド(押し付けて音程を変える)事によって、表情がつけられるんです!

ベンドで有名な太鼓はト-キングドラム(西アフリカ)ですね。話すようにでなはく、まさに言葉そのものを表現して隣り村と会話していたとか!(トーキングドラム。Wikipediaへリンク

 

ここケニアにもベンドの妙技が存在します。

現在のスタイル「ンゴマ・ンネ」になってからはナイフは使用しませんが、現在でも指で音色を変えます。

そして妙技のもうひとつミュート

これはチャプオでもやりましたが、ンゴマ・ンネでも使います。

このベンドミュート。これはドラマーには全くの無縁(唯一シンバルは止めますが)!

この手のひらの操作が激ムズい!

彼らはタッチと呼んでいましたが、この「タッチ」こそがハンドパーカッションではすべてです。

 

さて、それではここで我が師匠サイディ氏の演奏をご覧あれ!

先のKapapa氏の演奏でも見て取れたと思いますが、ふたりとも手の使い方、まさにタッチが驚異的です。

ほぼすべての叩いた音の長さを手のひらでコントロールしています!

僕はというと経験もないので音は出しっぱなしです。ドラマーはそういうもんです(コントロールできてる人いたらすみません。笑)。

 

例えるなら歌だと分かりやすいですよね。

僕が思う上手な歌い手さんは音の長さがすごいコントロールされてるんですよね。

例えば言葉も一緒です。

 

例:投げっぱなし

「あのね~ぇ。今日ね~ぇ。あそこでね~ぇ。こんな事がぁ~。でね~ぇ。」

みたいな(笑)

 

例:コントロールする

「あのね。  やっぱり俺は思うんだよ。 そう。  …太鼓はすげえ!!」

みたいな(笑)

 

どっちが説得力ありますか?

言うまでもなさそうですね!

 

ドラムなど太鼓類は音の長さが元々短いのでほっといてOKという暗黙の世界ルール(違うと思う人すみんません)があるのですが、その短い中にすら長さをしっかりと感じ,聴き取り、コントロールという事がすごい!

ほんとにちょっとした事なんですけど、出た音のニュアンスが劇的に違います。

これこそがケニアの案内役、俵さんが僕をここに招いた理由太鼓を歌わせるなのではないでしょうか。

 

この音の長さコントロールもこの後僕の音楽人生を大きく変えた出来事でした。

 

(ンゴマ・ンネを練習する僕。下の青いコップは飲む用ではありません。太鼓の皮が乾いてきて音程が変わってきたら濡らして調節します)

 

クレジットカード飲み込まれる事件発生

 

ちょっと音楽の話から離れて小休止しましょう。とはいえ立派な事件でしたが。。。

生活費が途中足りなくなり近くの町の銀行まで行くことに。

1人や2人での移動はそう、バイクタクシーです!

2人?そうですね。運転手も入れて3人ですね。まぁ何とかなるもんですよ(笑)

こちらはヘルメットも基本つけないので風が気持ちいい♪

 

町まではバイクで10分弱ほど。案外近く、町にはちゃんと電気があります(笑)

銀行に無事到着。この時は僕ひとりで行ったので、ちょいちょい周りを警戒しつつATMへ。

でも海外旅行した事がある方はご存知だと思いますが、この海外でのATMの操作っていうのはとてもハードルが高いんですよね。すべて外国語!

操作を進んでいくうちにちょっと分からない部分が出てきて、僕のお世話役バティに電話を掛ける。

「あー、バティ?ちょっと操作が分からなくて。え?うんうん、そう、えっと…」

 

ガシャン!!

 

突然その時はやってきた。

そう、カードがATMに飲み込まれたのである!!!!

 

「うおっ!!バティ?ちょっと待って!カードが!カードがァァァァァァァ!!(JOJO風でお願いします)」

 

警備員に聞くも僕の語学力がなく謎のまま。

急遽バティにも来てもらい、状況を確認。

どうやらATMで操作を何もせずしばらくするとセキュリティーの関係でカードが飲み込まれてしまうらしい。まぁあとで考えれば当然のセキュリティーで良い事なのだが、僕にとっては死活問題!しかもクレカはそれ1枚しか持っていなかったのだ。

 

銀行員「パスポートを拝見。え?コピーしか持っていない?なんで?ナイロビに置いてきた?じゃあダメですね。」

 

ガビーン。。。

 

そうか、パスポートがないとそういう事もあり得るのか。しかしマズい。カードも1枚しか持っていないのだから。。

 

バティが必死で色々話してくれる。

数分後、店長らしき人も出てきてくれる。

 

店長「後日また来てください。パスポートのコピーでもお返しできそうか本部に聞きます。」

 

という事で、数日後無事にカードが戻ってきたのでした。

皆さん、海外旅行にはカードは複数枚持っていきましょう!!

 

しかしそれ以来海外ATMはトラウマで、使うたびに焦るクセがついてしまいましたけどね。

僕の住むメキシコなど「ご一緒にドネーション(寄付)はいかが?」という、ありがた迷惑な画面も出てきまして、焦るあまり何度もドネーションしてしまいましたね(笑)

海外ATM操作が不安な人は事前にネットで使い方など調べておくと便利ですよ!

(バティ。キミのその笑顔に何度救われたことか(笑))

 

知らぬがホトケ?テクノロジーとは本当に我々にとって有益なものなのか?

 

ここケニアに行っていた当時の2013年。その頃ケニアにもケータイの波が来ていました。

僕は防犯上の観点からも海外用の安いケイタイを所持。その当初はケータイでネットを見るというのがここケニアではほぼ普及していなかったので、このケータイはほぼナイロビに住む俵さんとの会話にしか使っていませんでした。

このネットのない3週間。本当に僕はのびのび出来ました。この村のおかげもあって、まるで別の人生を楽しんでいる感覚でした。

デシタルデトックスという名称で現在は普及していますが、一定期間デジタル機器を止めようという取り組みですね。あのシリコンバレーでも取り組まれていますからね。

当初Facebook全盛期だったと記憶しています。他の人がつけた「いいね!」や「コメント」を気にするあまり常にネットを見てそして疲れた人々、皆さんも記憶にあるはず。

 

僕はご他聞にもれずというか人並み以上にデジタルの申し子。小さい頃からテレビやビデオを分解してましたし、大人になってからは自作デスクトップPCは5台作成してますからね。

メールやLINEの打ちすぎで指がダメになりドラムスティックが持てなくなるほどの激痛(笑)、そしてそのために鍼灸院に通う始末でした(笑)

 

そんな僕にとって、デジタルデトックスの意味でもこのケニアの時間はとても有意義でした。

分かっちゃいたけど実際には出来ないもんです。でもここでは強制的ですからね。

 

それと対称に我が師匠、サイディ氏。

ひたすらケータイを弄ってます(笑)しかもネットは通じないのにですよ!見ても何もできないのに(笑)!

僕のレッスン中もずっと(笑)

見かねて僕が言います。

 

「サイディ。ずっとケータイ見てるけどちゃんとレッスンしてくれよ。」

 

するとサイディ氏。

 

「いやZin。俺はちゃんと聴いているぞ。ほら、今手が止まっただろう。音も悪くなった。ちゃんと聴いているんだ。レッスンしてるぞ。お前が落ちついて出来るようになるまで俺は待っているんだ。」

 

うむ。まぁ理は通っている(笑)

僕自身も生徒さんの出来待ちなんてのはしょっちゅうだから分かる。

でもあからさま過ぎでしょ~(笑)

これは逆パターンですよね。デジタルアディクト。中毒ですね。

 

俵さん曰く「アフリカは急速にケータイが普及して皆夢中になっている」との事。

 

当たり前の波ですが、僕らの思うアフリカのイメージはなくなりつつありますね~。

しかしサイディ。ケータイ眺めても何もできないだろう。。電気ない村に住んでるのに電池消耗するだけだぞ(笑)

 

さて、デジタル関連でもう一件。

ネットができない中でも仕事のメールは確認しなくてはいけない。

町に出るとネットショップがあるので、週に1回程度通う。

そしてこんなメールが日本の生徒さんから届いていた。

 

「先生、ご無事ですか?ケニアでテロ事件があったと報道されています。どうかご無事でありますように!」

 

んんん?テロ事件?!知らないぞ?!

 

俵さんに電話して聞くと、ナイロビの高級ショッピングモールで事件発生。最後は警察が強制突入し、人質含め死傷者多数の大事件だったらしい。

 

ケニア。「ウエストゲート襲撃事件」

http://www.afpbb.com/articles/-/2969865?pid=11396460

 

あとでサイディにも尋ねると村ではちょっとした噂にはなっていた模様。

ただ村にテレビはもちろんないので、皆集まったときにちょっと話題にする程度の様子でした。

 

思えばあの911のNYテロ事件も、日本の大震災311も、テレビではもうずっとずっとそれで持ちきりでしたからね。あの時に心が病んだ人も多いはず。

 

しかしここマリンディは昨日も今日も平和そのもの。なんの変わりもなく悠久の時間が過ぎていきます。

本来テクノロジーがなければ隣村で起きた事件すら遠い話。2つ隣町以上は全くの他人事であるはずですからね。

 

テクノロジーは我々に何をもたらしたのか。正直なところ、分からないですよね。

 

そんな気持ちになったあと、日本に帰った時の情報量の多さ!

電車のつり革広告とか、目も当てられない気分でした。

そして僕はiPhoneを止めガラケーへ。とてもいい選択をしたと思います。

(現在はまたiPhone使ってますけどね)

 

(この写真を見て、僕らは原始の生活と思うのだろうか?どちらが本当に幸せ?)

 

 

そして本当の旅がはじまる

 

え?もう充分旅じゃん?って皆さんお思いだと思います。

が、違います(笑)

ここからなのです、本当のケニアの音楽の旅は。

 

僕もその時は語学力が乏しいため知らなかったのですが、ここまでのすべては旅へ出るための下準備。

色々な村に存在する曲を覚えていたようです。

そういえば色んな人が僕らの村に尋ねてきてたなぁと。すべてサイディ師匠との日程やギャランティーの交渉だったようです。

 

長くなりましたので、本当の旅編はまた次回(笑)!

 

では今日はこの辺で。

Hasta la próxima(また次回)!!

 

ライター Zin ” Atrevido” Hitoshi

>「心から出て心に還る音楽を」をモットーに、粋な義理人情を大事にし、 旅に似合うような音楽を提供し続けていきます。

「心から出て心に還る音楽を」をモットーに、粋な義理人情を大事にし、 旅に似合うような音楽を提供し続けていきます。

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