下町を散歩したいと思った時、いろんなガイドブックを読むのもいいですが、実際どうだったのか、リアルな地元話って気になりませんか?
俺は東京生まれ〜♪下町育ち〜♪(※以下略)
・・・えっと歳バレますね。こんにちは、オキツです。
ヤング洋品店でおなじみの、浅草橋生まれ、生粋の江戸っ子、オキツカズヒロが下町をまったりご案内致します。
東京を代表する下町・浅草の近くにある蔵前。
蔵前は、近くに川が流れている点、カフェや雑貨店など、倉庫をリノベーションしたハイセンスな建物がある点がニューヨーク・ブルックリンの雰囲気に似ています。ついた呼び名は「東京のブルックリン」。
近年、若手のクリエイターの革製品やアクセサリーなどの工房が増え、新たなものづくりの街として注目されています。
蔵前はちょっと暗〜い雰囲気で、浅草と浅草橋に挟まれたエリアのイメージしかありませんでした。まさかブルックリンになるなんて。
浅草とよく間違われる浅草橋
一方で古くから問屋や製造業が集まり、ものづくりの街として発展してきた歴史があるのが、エリア南の浅草橋ではないでしょうか。
江戸時代創業の人形展『久月』や『吉徳』をはじめ、通り沿いには、文具、花火、玩具、紙製品などの店が並び、懐かしい街並みを形成しています。
世界的にも有名な雷門や浅草寺がある浅草と、よく間違われる浅草橋。
ちがうんです浅草橋駅は!
浅草駅とは都営地下鉄浅草線で2駅の距離。電車での移動は5分程度ですが、歩くと20分ほどかかります。
小学生のときに浅草から来る友達が羨ましかったですね。
エリアの南西にある「鳥越神社」ではエリア内を東京で一番重いといわれる「千貫神輿」が渡御し、多くの人で賑わいます。期間中、200以上の露店が並び提灯がともる神社の様子は初夏の風物詩となっています。
このエリアの人間は本当にお祭り好き。
神輿を担ぎたくて御輿棒の取り合いで喧嘩もあるし、電柱を倒した事もあります。
ものづくりの街らしいエピソード
現在たくさんのマンションが立ち並んでいますが、僕の幼い頃は住んでいる人が少なかったエリアでした。小学校も一学年たったの1クラス、23区内なのに。
校庭一周が80mしかなくて、100m走は校舎の影を20m走ってから、トラック1周していました。
昭和20〜30年代から下町の小学校はこのようなケースが少なくないらしく、走り出した瞬間にトラックを曲がらないと1周が取れないから、走る=カーブするって癖がついたなんてエピソードも。
会社員の子供が珍しく、みんな「どこそこ」の息子、娘。そのぶん街全体に妙な連帯感があったと思います。
良い雰囲気でしたが、今は無いのかも知れませんね。
歴史の面影が残る街の発展
どうして蔵前エリアで廃校のリノベーションがあるのか?
少子化で一時は学校が統合されまくり、どんどん小学校が廃校になりました。
それを壊さず、さまざまな形で再利用したのが「台東デザイナーズビレッジ」など。地域のクリエイターの拠点の形成へと繋がっていきます。
逆に現在は、マンションが乱立して、学校が足りないなんて事も。
僕の母校なんて、図書館を半分潰して教室にするハナシもあるそうです。
人が集う場所には、そこに様々な理由が有り、歴史がある。そんな視点で街歩き、観光してみては如何。きっと見馴れた街も新しい発見があるかも知れません。
人の流れ。街の変容。
ちょっとした時間で街って大きく変わるんだなと実感。
それでは現在の浅草橋・蔵前エリア周辺をお散歩してみましょう。
スタート:浅草橋駅ー→長谷川商店ー(すぐ)→ルーサイトギャラリーー(3分/0.25㎞)→洋食 大吉ー(1分/0.01㎞)→友安製作所Cafeー(6分/0.45㎞)→SyuRo ー(10分/0.8㎞)→蕪木ー(3分/0.3㎞)→喫茶 半月ー(7分/0.6㎞)→ゴール:都営大江戸線・浅草線蔵前駅
まずは「ルーサイトギャラリー」
時代を感じる古民家カフェ
隅田川沿いにある昭和の流行歌手の屋敷を改装した骨董店・ギャラリー。
すばらしい居心地です!
ルーサイトギャラリーの建つ柳橋は、江戸時代から続く格式の高い花街。
隅田川に架かる橋のほとりには船宿や料亭が顔を揃えていました。
その花街として栄えた頃の柳橋にあった、人々の笑い声を再び取り戻そうと、地域の伝統文化を伝える活動も行なっているそう。
壁にはハイヤーや人力車の電話番号が記されていて、いきいきとした生活の様子が、目に浮かびます。
室内で感じられる歴史と季節感は風情たっぷり、おすすめです。
浅草橋問屋街
浅草橋駅から江戸通り一帯に広がる問屋街
江戸時代から『問屋街』として栄えてきた浅草橋は、10歩歩けば問屋に当たると言っても過言ではありません!
駅の改札を出て早速問屋が見つけられるので、初心者でも何か作ってみたいな、という気持ちに。
地域全体を「大きな手芸材料店みたい」と表現する人もいるくらい。
専門店ならではの豊富な品ぞろえと安さユニークさが魅力です。
これはもう、行くしかない。
花火マイスターがいる花火問屋の『長谷川商店』。
ものづくりの街ならでは「友安製作所Cafe」
大人の社会科見学
DIYやハンドメイドが流行な昨今、浅草橋にパーツを購入しに訪れる方もたくさんいらっしゃると思います。
問屋街を歩きながら『友安製作所Cafe』はいかがでしょう〜?
インテリア・エクステリア材料のショールームと、美味しいご飯のカフェを併設した楽しい場所です。
とんでもなくDIY欲が刺激されます。
本好きにたまらないのが、DIYやインテリア関連の書籍が並ぶライブラリー。
珈琲を飲みながらゆっくりと本を読み、お部屋作りの情報収集に利用することもできそうです。
ランチでひとやすみ「大吉」
昭和の偉人も愛した柳橋の老舗洋食店
さてさて、カフェ巡りはノーサンクス。肉は無いのか、肉は!って人には、『洋食 大吉』!
街歩きのあとの休憩にちょっとお茶だけでも、がっつりランチでも!
池波正太郎が書いた「洋食大吉」のエッセイが、お店のショーケースに飾られていて、思わず入店前に見入ってしまいます。
ランチメニューは定食680円からお手頃プライス。是非、宮内庁御用達のトンテキお試し下さい。
実は洋食メニューもさることながら、おつまみメニューが豊富なのもうれしい限りです。
この街だから実現できた古くて新しいプロダクトデザイン「SyuRo」
センスあふれる空間は「元は町工場」でした
さてさて、昼食後に元気が出たところで。ものづくりの伝統から若手の街へと歩を進めてみましょう。
「かっこよくておしゃれな生活日用品があればなあ…」
と悩んでる人は、自分の好みにあったデザインを知らないだけかも?
鳥越のおかず横町近くにある、生活デザイン雑貨店『SyuRo』。
日本の職人技が光る暮らしの道具や、福祉作業所で作られるモノ。独自の審美眼でセレクトしたアイテムが並ぶ天国。
日常生活ではなかなかできない、ワクワクするような体験ができそうです♪
蕪木
地図が示した場所は普通の民家。
軒先に「営業中」と書かれた小さな平たい石が置かれています。
何も書かれていない、無機質な扉を開けてみると、フワッとチョコレートの甘い匂いが飛び出してきました。
チョコレートの製造販売と珈琲豆の焙煎販売があるカフェ『蕪木』です。
友達の家にいる錯覚を覚える奥の階段から2階へ。
現れたのは、「最小限の照度と凛とした空気をまとった静寂な空間」。
ここは大人の隠れ家です。
一人で物思いにふける至福な隠れ家、とっても贅沢な時間ではないでしょうか。
微かに香るコーヒーの匂いが気持ちを解きほどいていきます。
『SyuRo』で販売している天然オーガニックのソープ「Vann Vesi Vand」が置かれていました。すごく良い香り!
更なる進化を遂げたスイーツの聖地「喫茶 半月」
歩き疲れた、甘いもの食べたい!スイーツ。って方、お待たせ致しました!スイーツの聖地の出番です。
昭和の古いビルをリノベーションしたおしゃれで個性豊かなカフェに行きたい。
そんな時は、絶対外せないお店『喫茶 半月』。
1階にテイクアウト専門の焼き菓子店「菓子屋 シノノメ」、2階がカフェスペースの「喫茶 半月」です。
スイーツのメニューは、階下の奥にある工房から毎朝、作りたてが届きます。
オープン以来、蔵前駅を代表するカフェと言っても過言ではないほどの人気店です。
「喫茶 半月」と「菓子屋 シノノメ」があるビルは、元は家具屋さんとして使われていたもの。
リノベーションしてお店をオープンするに当たり、スタッフが総出で壁を塗ったり、家具を設置したりしたのだとか。
ちなみに元の家具屋さんは、僕の母方の親戚が経営してたりします。
さて、ここまで来れば、ゴール地点の蔵前駅はもう目と鼻の先。
新旧入り混じる「徒蔵」(かちくら/御徒町~蔵前~浅草橋)エリアで、どこか感じる懐かしさに身を委ねてみてはいかがでしょうか。
〈ルートマップ〉
リード文 オキツ カズヒロ
台東区のテーマソングのレコーディングを担当
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【studio iota label】
日本のレコード会社 studio iota LLC.では音源の企画制作・流通販売、WEBコンテンツの発信、企業のWebライティング、動画BGM製作、アーティストやお店などの写真撮影、作曲・編曲事業、レコーディング・ミックス事業などを行っています。
Craft Gin[MV]前田紗希×tachibana / 東京水上バス・パーフェクトガイド『隅田川ライン』Tokyo Water Bus – Japan Guide
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